肉食が増え野菜が不足すると生活習慣病のリスクも上がることはご存じの方も多いでしょう。世界がん研究基金(WCRF)とアメリカがん研究協会(AICR)は、赤肉(牛、豚、羊など)と加工肉の過剰な摂取は大腸がんのリスクを「確実」に上げると報告しています。多くの先進諸国では病気を予防し医療費を削減するため官民一体となり食事の教育指導が行われています。
「赤肉・高脂肪食を減らし植物性の食品を増やしましょう」、これは今や世界では常識となっており本来肉食文化である欧米諸国でも肉類の消費量が減りつつあります。ですがなぜか日本だけ肉の消費量が今でも年々増加傾向なのは残念です。
過去50年(1975年~2025年)でこんなにもがんが増加
「食の欧米化でがんが増加」というイメージはなんとなく感じておられることと思います。ですが実際は「なんとなく」ではすまされないほど深刻な状況です。欧米諸国では食事指導、生活指導の取り組みによりがん患者の数が横ばいから減少傾向にあります。その一方で日本の乳癌、大腸がんの患者数が年々増加し続けているのは有名です。
乳がんの発症率は50年前は50人に1人でした。現在はその5.5倍、9人に1人が乳がんを発症しています。日本は医療先進国であるにもかかわらず乳がんによる死亡者数も7倍に増えています。
50年前の大腸がん患者数は約2万人、現在の大腸がん患者数は8倍の16万人、過去50年間で大腸がんによる死亡者数も3倍に増えています。
赤肉の適量とは
赤肉も適度に摂取すれば栄養価の高い食品です。では適量とはどのくらいでしょうか?
国際的な推奨適量は健康に問題のない方であれば赤肉1日50~70g以下、1週間で350~500g以下とされています。ただしこれは肉食で進化してきた民族も含む「国際的」基準です。当サイトの食事指導「動物性・植物性のバランス」でも述べましたが、日本人は675年に天武天皇により発令された「肉食禁止令」により明治維新までの1200年間、肉をほとんど食べずに進化した特殊な民族です。私は日本人にとっての赤肉の適量は国際水準より少ない方が好ましいと感じています。魚や植物性のタンパク質に多すぎない量の肉をバランスよく摂りましょう。
またすでに生活習慣病に罹患している、皮膚疾患で通院している方々にとっての「療養中の食事」となると特に赤肉の摂取量はひかえめに。私は患者様に対しての食事指導の際には赤肉は週に200~300gまでと説明しています。
自分の1日の肉の摂取量を意識しましょう
日本人の平均的な赤肉の摂取量は2025年の時点で1日50g程度とされています。これは国際的な推奨量の範囲内です。ですがこれはベジタリアンや肉が好きではない方々を含む「平均」であり今このサイトをご覧になっているあなた自身の摂取量とは限りません。
当院で食事指導をした際に赤肉は週に300g程度にとお伝えすると多くの患者様が「え、肉たったのこれだけ?1日ではなく1週間で?」と驚かれます。つまり日常的に基準値を大幅に超えた量の肉を食べ続けているのです。そうです!だからあなたは私の診察を受けるという面倒な事態におちいってしまったのです。
